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評者◆伊達政保
「辛抱強い東北人は、もっと声上げてイイんでないか! 叫んでイイんでないか!」――白崎映美&とうほぐまづりオールスターズの東北ツアー
No.3213 ・ 2015年07月04日




■東日本大震災と原発事故で被災した東北。昨年この欄にも書いたが、山形酒田出身の歌手・白崎映美は、木村友祐の小説『イサの氾濫』に出会う。この物語は彼女に火を付け「まづろわぬ民」を作詞作曲、ライブ活動を行う中で「とうほぐまづりオールスターズ」を結成。演劇関係の友人たちの協力を得て「東北6県ろーるショー!!」と銘打って、「東北さ、みんなさ、いい事いっぺ来い来い来い、どんと来~い!!」と、福島のTVイベント出演や東北各地、そして東京でライブを展開、CDを発売した。ついには劇団「風煉ダンス」が、その歌に触発されて演劇『まつろわぬ民』を制作し、公演が行われた。当然主演は白崎映美だ。
 以後、白崎映美&とうほぐまづりオールスターズは関西ツアー公演を行っていく。そして今回、山形高畠ワイナリーでのイベントを皮切りに、福島の郡山、いわきと、東北ツアーが行われた。オイラ1年もいなかったが一応は郡山生まれ、オフクロの実家の別宅もあり土地勘がある。いわきは小学校卒業から中学入学の2年半いた場所。これは行かねばと、郡山、いわきのライブを聴きに行った。
 郡山でライブを聞くのは2年前、遠藤ミチロウ呼び掛けの「ハロー816(廃炉)」イベント以来だ。会場には郡山出身のメンバー小峰公子(アコーディオン・ボーカル)の同級生や友人たちも来ている。数ヶ月ぶりに聴くが、東北に土着化した音と評された、バンドとしてのサウンドがしっかりしてきたのには驚かされた。辛抱強い東北人は、もっと声上げてイイんでないか!叫んでイイんでないか! と歌いアジテイトする白崎映美はもとより、自分のバンド(ザバダック)とは違い訛りで濁ったコブシで歌う小峰公子がフロント・ツインボーカルとして比重を増している。彼女の新曲の民謡「相馬二遍返し」は素晴らしいものだった。このバンドは東北の民謡をもっと自分たちのスタイルで取り上げて欲しいと思う。また、ドラムの田口ともの笑いを誘うコーナーは定着してきて見逃せない。終演後、観客との雑談の中で、郡山は原発関係の利害が複雑で話すのも難しいなどの会話が率直に出来るのも、このバンドこそだろう。
 いわきの会場バー・クイーン、渋さ知らズのワークショップから生れたバンド「十中八九」の拠点でもある。そのメンバーも何人か来る中、「風煉ダンス」の女優陣も加わったステージは素晴らしかった。急遽決まった、翌日の湯本温泉神社での演奏を聴くことが出来なかったのは残念。宿泊したカプセルホテルは原発作業員で満員。朝の列車に乗るため駅に行くと、F1に向けて作業員を乗せたバスが何台も出発していた。






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