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同人誌時評
タイトルに込められた“想い”の競演――行き詰まった世界を超えていく新たなフィクションを(片山恭一) 越田秀男
一徹で、精力的な老人の姿を示す小網春美の異色作(「北陸文学」)――盗賊袴垂を描いた森下征二の豊かな想像力(「文芸復興」) 志村有弘
ズレ、乖離、分裂、閉塞、解放――震災2000日「依然として立ち往生し、ことばを創り出しかねている」 越田秀男
高齢化社会、今をどうするかを考えさせられる堀井清の作品(「文芸中部」)――妻へのひたむきな愛を綴る上田蝉丸の作品(「渤海」) 志村有弘
若者、中年、老人、それぞれの心の葛藤劇――人間になったピノキオは再び木の人形に還る 越田秀男
戦時の闇を示す市川しのぶ「鬼夜叉」(「弦」)哀しくても、生きる心――三沢充男と馬場雅史の小説(「こみゅにてい」・「民主文学」・「奔流」)、秋田稔の滋味溢れる探偵小説談(「探偵随想」) 志村有弘
〈寄処〉を求めて彷徨する人びと――〈寄処〉を拒否した孤立無援の思想も牧歌に変ずるか 越田秀男
戦争を危惧する詩歌群――西郷隆盛の首の真相を描く柴垣功の歴史小説(「詩と眞實」)、路通への芭蕉の優しさや門人の嫉視を綴る大原正義の作品(「日曜作家」) 志村有弘
大学を退職した主人公を描く、井本元義の小説(「海」)――山毛欅と桂の景色を通じて言葉を超えた関係を生みだす(「裸人」)、戦争孤児をテーマとした複数の作品も目を引く 越田秀男
人の世の孤愁と諦念を描く堀江朋子の小説(「文芸復興」)――岩谷征捷の散文詩を思わせる北の町を舞台とする小説(「境」)、憂国・反戦を叫ぶ詩歌群 志村有弘
昭和35年の神戸を舞台に、優れた表現力を示す渡辺孔二の「通り道」(「播火」)――富山藩の廃仏毀釈を綴る佐多玲の力作歴史小説(「渤海」) 志村有弘
戦争体験世代と体験しない世代との衝突(「現代短歌」)――全部で63編、百号記念の「掌編小説特集」(「全作家」)、土着の言葉を使って地方を浮き彫りにする定道明の小説(「青磁」) たかとう匡子
きたいことを書く、そこに同人雑誌の存在意義がある――車谷長吉の追悼特集を組む「脈」。悲惨な戦争体験を綴る詩歌群 志村有弘
戦後七十年を一望する明確な平林敏彦のエッセイ(「午前」)地霊に振り回されている谷崎潤一郎が面白い(森真沙子、「谺」) たかとう匡子
青春の悔いと文学仲間の苛烈な人生を綴る立花健の現代小説(「九州文學」)――幕末の画家を描く柴田宗徳の歴史小説(「流氷群」)。戦争反対を叫ぶ詩 志村有弘
戦争を原体験で語り得る世代が最後の時間に立ち合っている節目――特集「戦後七十年」(『民主文学』)、特集「多喜二『党生活者』を戦後70年に読む」(『星灯』) たかとう匡子
〈老〉・〈病〉・〈死〉の文学――老いの日々と心境を綴る矢野健二(「残党」)、おのれの道を歩み続けた男を描く本宮典久(「高知文学」)、詩人鈴木政輝を視座とする東延江のエッセイ(「流域」) 志村有弘
同人誌の世界が疲れてきたようにもふと感じる――平林敏彦「『蒼ざめたvieの犬を見てしまった』君へ――田村隆一から三好豊一郎への書信(1946年)」(『午前』)、樋口良澄(「鮎川信夫と三つの戦後二八――否定の力」(『ミて』)といった、「荒地」の時代を振り返った良作などもある一方で…… たかとう匡子
豊かな構想の時代小説、人の世の哀しみを綴る文学――貧しくも誠実に生きる板木彫師を描く本興寺更の名人芸「彫師」(『文芸中部』)、仇討に一生を捧げた男を視点とする佐多玲の「仇討禁止令」(『渤海』)、牛島富美二の相思相愛の若者の心中譚「翻案 秋色柳落葉―賀美郡柳沢心中事件―」(『仙台文学』) 志村有弘
激動の時代に、詩人たちはどうしたか――かぎりなく詩に近いエッセイ(12人の「わが内なる梶井基次郎」『カプリチオ』)、日本の戦後の現実を書いたことによって孤立した石原吉郎(郷原宏「石原吉郎、岸辺のない海」『長帽子』) たかとう匡子







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